Q 相対性理論って何?


 相対性理論という言葉は一度は耳にしたことがあるだろう。
でもなんだか難しそう、そう思う人も多いかと思う。
実はこの相対性理論は宇宙と切っても切れない関係にあるのだ。
それでは相対性理論について簡単に説明していきたいと思う。
相対性理論とは、かの有名なアインシュタインが1905年に発表した特殊相対性理論とその10年後の1915年に発表した一般相対性理論の総称だ。
この相対性理論というのは、それまで科学の主力であったニュートン力学を覆す内容だった。
ニュートン力学では時間と空間はそれぞれ独立したものとして扱われてきた。
相対性理論では時間と空間は互いに関連しあっていることを示し、一緒に考えていかなければならないのだ。

それではまず、特殊相対性理論について述べていこう。
特殊相対性理論とはまず一つに光について述べた理論である。
光は、どんな状況下でも常に一定で、速さが変わることは無い。
例えば、2台の自動車AとBが同じ方向に走るのを考えてみよう。
この2台の自動車が同じ速度で走っていた場合、AからBを見るとまるで止まっているかのように見えるだろう。
今度はAが時速40km、Bが時速30kmで走っていたらどうだろうか。
この場合はAが10km速いのでBからAを見ると時速10kmで走っているように見える。
これは普段我々がいる世界で普通に起こる現象だ。
ところが、これが光になった場合はどうだろうか。
先の例で自動車Bを光に変えてみよう。
光はおよそ秒速30万kmなので、Aから光を観測するとこの秒速30万kmから時速40kmを引いて…ということを考える必要があるのか。
答えはNOだ。
ここが特殊相対性理論で重要な所だ。
光は観測する者に関わらず常に一定速度で進むのだ。
当然、これは宇宙空間でも同じことが起こる。
宇宙で宇宙船に乗って対向してくる宇宙船の速度を観測すると(自分の乗っている宇宙船の速度+対向する宇宙船自体の速度)で計算できる。
ところがこれが対向する宇宙船でなく、光の場合は(自分の乗っている宇宙船の速度+光速)にはならない。
ではどうなるかというと、光速は常に一定なので自分の乗っている宇宙船の速度を足す必要は無く、光速、つまり秒速約30万kmとなる。
これは「光速度不変の原理」と呼ばれている考え方だ。

 ではここで問題。光速で移動する宇宙船があったとする。
この宇宙船の前方に光を放射し、静止している宇宙ステーションでこの光を観測するとどうなるか?
ここでも光速は常に一定の速度である。
となれば答えは(宇宙船の速度+光速)で光速の2倍の速度になるかというとそうではなく、やはり光速は光速だ。
このように第三者から観ても光速は常に不変(毎秒約30万km)なのである。

 ここで光速に関する話をもうひとつしておこう。
アインシュタインは光速に近い速度で運動すると何も運動していないものより時間の進みが遅くなることと、物体が縮んで見えることを発見した。
これはどういうことかというと、光速の90%の速度で移動する宇宙船に乗り地球を出発し宇宙を2年ほど旅行したとしよう。
すると地球では当然2年の時がたっている。
しかし、宇宙船の内部は2年よりも短く、1年も経っていないことになるのである。
地球上では2年経っているのに宇宙船に乗っている人から見るとまだ2年経っていないのだ。
不思議に思うかもしれないが、これがアインシュタインの発見した現象だ。
実はこれを利用することで未来の地球へ行くことも可能になるのだ。
光速の何%の速度かによって遅れる度合いは違うが、20%程度以下だとほとんど遅れは生じない。
地球上でいくら新幹線のような高速の乗り物に乗ったからといって時間はほとんど遅れない。
だが実際には何兆分の1とか何億分の1秒レベルでの遅れが生じている。
この程度では実際に時間の遅れを肌で感じることは無い。
また新幹線の移動しているところを観測しても縮んで見えることも無いのである。

 次に、一般相対性理論について述べていこう。
これもまずは例から考えていこう。
地球上には重力がある、というのは誰でも知っていることだろう。
この重力はニュートンの万有引力とも呼ばれており、物体はお互いに引き合っているという考え方だ。
実際に重力もこのように考えることができるのである。
が、しかしアインシュタインは先に提唱した特殊相対性理論によるとこの万有引力の考え方がおかしいと思ったのだ。
そこでアインシュタインは考えた末、ひとつの結論に達した。
万有引力は重力をお互いに引き合う『』と考えていたが、彼は重力とはその空間の『ゆがみ』として考えた。
ゆがみというのは、例えばピンと張った布の上にビー球を乗せると、そこがたるむように見えるだろう。
このたるみが時空のゆがみである。
なので、宇宙空間に地球があるとすれば、そこの空間はゆがんでいる。
何も宇宙空間だけでなく、我々が居る地球上でもそれは起こっている。
人が居ればそこはゆがみ、リンゴがあればそこもゆがみ、そして原子のようなものでも重さがあればそこにゆがみが生じる。
このゆがみ、実は実際に観測することもできるのだ。
我々も度々見ることが出来る日食。
あれもよく観察すると月の影に隠れて太陽が出てくるまでの時間は、月の直径云々で計算した結果と観測値とは多少のずれがある。
何故かというと月の重力によりその周りの空間がゆがんで太陽光が曲がって地球に届くからである。
これは「重力レンズ効果」と呼ばれる現象で、実際に百億光年程も離れた遠い星を観測する際に利用されている。
具体的には太陽の裏に隠れて見えないはずの星が、太陽の重力により光が曲げられ、太陽を回りこんで地球にまで届くという具合。
これを利用すればこれからも宇宙の新たな神秘を発見することに期待ができるだろう。
アインシュタインが提唱したこの相対性理論により、天文学は飛躍的に進歩した。
これからの天文学界も相対性理論の活躍は十二分に期待できる。



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