Q ダークマターって何?


 宇宙の中には目に見えない何かが存在する。
これが暗黒物質、ダークマターと呼ばれるものである。
あまり聞きなれないかも知れないが、天文学者の間ではかなり話題になっているものなのだ。

 ここでひとつ例を挙げて説明していこう。
まず、水の入った水槽と、ピンポン玉をいくつか用意する。
ピンポン玉を水の上に浮かべ、水をかき混ぜるとピンポン玉は渦を巻いて動いて見えるだろう。
けれども、ピンポン玉の上から運動を観測すると実際にはピンポン玉は常に同一の水の上に留まって見える。
水の流れに沿ってピンポン玉が移動するのではなく、ピンポン玉が水の上に乗っかってその水自体が移動しているのでそう見えるのだ。
なのでピンポン玉は水の上を移動している訳ではない、ということである。
ここで、この水の入った水槽を宇宙に、ピンポン玉を星に見立ててみよう。
するとこれが太陽系や銀河系、それに宇宙全体にもいえるようになる。
宇宙空間に点在する恒星や惑星、その他の天体。
宇宙空間には空気も無ければ水蒸気も無い。
それなのに、宇宙にある天体は自転、公転という運動をしている。
先ほどの例のように、天体が渦を巻いて公転するには水に相当する何かがあるはずである。
地球上の場合は、これが空気であったり水であったりするが、宇宙には何も無い。
しかし、何も無いところを移動していくということは出来ない。
何らかの物質が存在しているはずである、そう天文学者は考えた。
これがダークマター(暗黒物質)と呼ばれる物質である。
実際に目で確認することも、現在の科学技術で観測することもまだ出来ていない。
しかし、その存在は濃厚であると言われている。
このダークマターは宇宙創生のビッグバンとともに宇宙全体に満たされたと考えられている。
そして現在の宇宙を構成する物質の大部分はこのダークマターであると言われている。

 ではこのダークマター、具体的にはどのような物質なのだろうか?
ダークマターの候補としてはニュートリノなどの素粒子が挙げられている。
素粒子というのは、物質を構成する極限の最小物質のこと。
生命を含む全ての物質は原子という小さなもので成り立っている。
この原子も原子核(陽子と中性子)と電子から成っている。
では、この原子核と電子が物質を構成する最小単位なのだろうか?
それよりも小さな物質、陽子や中性子といったものをもっと小さくできないのだろうか。
こういうことで研究が進み、現在では次々に素粒子が発見されてきている。
参考までに、物質を構成する素粒子は下記表の計12種類がある。
ニュートリノは2002年に東京大学名誉教授の小柴教授がその存在を観測してノーベル物理学賞を受賞したことでも一躍有名になった。
もっと詳しく知りたい人は
こちらを参照。
こういった物質が宇宙空間に存在していると考えられている。
けれども、その存在は未だ謎で、これからの天文学界でも大きな話題となっていくことだろう。

 
<物質を構成する素粒子>
第1世代 第2世代 第3世代
レプトン 電子ニュートリノ
電子
ミューオン・ニュートリノ
ミューオン
タウ・ニュートリノ
タウ
クオーク ダウン
アップ
ストレンジ
チャーム
ボトム
トップ




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