Q ブラックホールって何?


 ブラックホールは光さえも吸い込んでしまう星ということは知っていることだろう。
けれどその実態は何なのか、気になるところだ。
まずブラックホールのできるプロセスを見てみよう。
ブラックホールは一般に超新星爆発の際に恒星の核が圧縮されて出来ると考えられている。
つまり、星が爆発してその後収縮したと思ってもらえればいい。
地球も質量をそのままで直径1.8cmまでに圧縮すればブラックホールになり得る。
同じ質量の星でも直径のより小さな星のほうが重力が大きくなる。
重力が大きくなるとどうなるか。
それは脱出速度が関係してくる。
脱出速度とは、その惑星や衛星から宇宙空間へ出るために必要な速度である。
例えば地球の脱出速度は1秒間に11.18km以上の速度を出せば地球から脱出できる。
逆に言えばこの11.18km/sというのを超えなければ地球の重力に負けて地球から出ることができないのだ。
これがブラックホールにも言えるのである。
光は毎秒約30万km進むのでもし脱出速度が秒速30万km以上の星があるとするなら、
この星では光も重力に負けて外に逃げることが出来なくなってしまう。
これがブラックホールと呼ばれるものである。

 ではブラックホールの内部はどのようになっているのだろうか?
ブラックホール自体を肉眼で見ることは出来ない。
これは光さえも吸収されてしまい、その姿を確認できないからだ。
で、この内部に光が脱出出来なくなる極限までの面、事象の地平面と呼ばれる面がある。
ここを過ぎるとあらゆる物質はもうブラックホールから出られなくなってしまう。
更にこの面より奥に進むと特異点と呼ばれる点がある。
これは言ってみればブラックホールの終着点である。
この特異点に到達した後の運命は、そのブラックホールが回転しているかしていないかで変わってくる。
もしもそのブラックホールが回転していなかったら、特異点に落ち込んだ物質は素粒子レベルにまで崩壊してしまう。
こうなってしまったらもうその物質は無へと還るのみである。
けれどもしこのブラックホールが回転していたならその遠心力で、
特異点がドーナツのように真ん中に逃げ道が出来て脱出することが出来ると言われている。
その後は、ワームホールを通ってホワイトホールと呼ばれるあらゆる物を吐き出す出口から、 別の宇宙にることが出来るとも言われている。
しかし、上記で述べたように今のところはワームホールの維持が果たして可能なのか、ホワイトホールは存在するのかはわかっていない。
ブラックホールの場合、はくちょう座X-1という星などがブラックホール候補として挙げられている。
理論的にはブラックホールが存在するのはほぼ確実だという。

 こんなブラックホール、我々からみると大変奇妙な現象を見せてくれる。
例えば2人の観測者がそれそれ宇宙船AとBに乗り、ブラックホールに近づく。
そして宇宙船Aはブラックホール内に入り、宇宙船Bはブラックホールの手前でその様子を観測する。
すると宇宙船Aはその重力によりどんどんブラックホールに吸い込まれてゆく。
宇宙船Bからもこの様子は確認できる。
吸い込まれていった宇宙船Aはいずれ事象の地平面を通過する。
この時、宇宙船Aからその様子を観測するとただ普通に吸い込まれていると観測できる。
けれども宇宙船Bから観測すると、その吸い込まれる速度は徐々に遅くなり、宇宙船Aが事象の地平面でぴったり張り付いたように見える。
その宇宙船Aがブラックホールに吸い込まれるのに永遠の時間が流れているように見えるのである。
宇宙船Aの中では有限時間が流れているのに、観測する者によって時間の流れが違って見えるのである。
これが特殊相対性理論の光速近くで運動する場合の時間の進み方は観測者に大きく依存するということである。
実際にはその後宇宙船Bから観測すると、その強い重力より宇宙船Aからの光が赤い方へとずれていき、いずれ見えなくなってしまう。
ブラックホールは、我々の持つ時間や空間の概念さえも覆す存在なのである。



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