俺が丸付けを再開すると、福原は急に立ち上がった。
何事かと思って見てみると白いワンピ姿の福原は俺の方に向かってきた。
「な、何だ? どうした…?」
俺はどぎまぎしてしまった。
そして福原は俺の前に立ちはだかると静かに話し始めた。
「先生……私で何人目?」
「は…? 何のことだ…?」
「とぼけないで! 昨日私を抱いたでしょ! 何人目かって聞いてるの!」
先生は決まりが悪そうに窓の外に目を外した。
「いや…そんな何人もなんて…そんなのあるわけ無いだろ…」
「ウソ……有希ちゃんにも聞いたんだよ…先生に抱かれたって……」。
「……成宮が…そ、それは間違いなんだよ…!」
「間違いでも既成事実はもう覆らないよ」
ゆっくりな口調で詞尻強く福原が言った。
俺は今までの甘い考えを、ここにきて思い知らされた気がする。
下手したらお縄につくことは避けられない。
そんな脂汗をかいている俺に、福原はやさしい口調で語りかけてきた。
「ねぇせんせ……みんなには黙っててあげるよ」
「……ホントか…?」
「けど一つだけお願い聞いてくれる?」
「…何だ?」
「もう私以外の子には手を出さない…約束してくれる?」
妖艶な瞳と脚線美で、俺に契りを結ばせる福原。
俺は弱々しく、頷くしかなかった…。

それから一週間後…。
5人の少女から全く同じ駆け引きを持ち込まれ、五足の草鞋を履く俺。
少女達に、ばれないように毎日を過ごす俺。
でももう外はツクツクボウシの季節。
夏休み、束の間の休息に入った…。

             

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