友情の灯火

 私には友達がいる。
中学の頃から仲のよかった友達、由紀子。
最近そんな由紀子の良くない噂を耳のすることが多くなってきていた。
昨日、教室に残って帰り支度をしていた時のこと。

女生徒1「ねぇねぇ、2組の山本さんっているでしょ?」
女生徒2「山本さん? ああ、あの由紀子って子ね」
女生徒1「うん。 なんかその山本さん、出来ちゃったみたいなの」
女生徒2「出来ちゃったって……まさか赤ちゃん!?」
女生徒1「シーッ! 確かなことは分からないんだけど元カレとの間の子なんだって」
女生徒2「うっそ、マジ!?」
女生徒1「うん、でも他の人にはあんま言わない方がいいかも」
女生徒2「分かった、誰にも言わないよ」

ショックだった。
何がショックなのかは分からない。
でもそれを聞いて私は気分が沈んでしまったのは確かだった。
由紀子とは中学1年の頃に出会って以来ずっと仲良しの友達同士。
高校に入ってすぐ彼氏が出来たって言ってとても嬉しそうだった。
でもそれ以来由紀子は私とは距離を置くようになっていた。
恋人が出来ると友達付き合いが減るっていうのは本当だったのだ。
由紀子は友達よりも恋人の方を選んだ。
それまでは毎日のように、一緒に話をしていたのに。
いつしか話をすることも無くなっていた。
校内で楽しそうに彼氏といる彼女を見るのは、とても辛かった。
自分の大切な人を奪われてしまったみたいで…。
赤ちゃんとか、私には信じられなかった。
そしてその彼女は今日、私の家に突然やってきた…。

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