「じゃあ絵美はお兄ちゃんのことどう思ってるんだ…?」
 「え? どうって……お兄ちゃんは優しいしいつも私のこと気に…」
 「そんなこと聞いてるんじゃない!」
自分を抑えきれず、俺は妹に怒号を浴びせてしまった。
びっくりした顔の絵美を見て、俺はやっと我に返った…。
 「あっ、ご、ゴメン…その……絵美に彼氏ができるの…嫌なんだ…」
 「えっ……?」
俺は泣きそうになりながら絵美に縋りついた。
絵美は困惑した顔をしていた。
 「え……えと…お兄ちゃん…?」
 「やっぱ俺なんかは彼氏にしたくないのか…?」
 「え…そういうんじゃなくて……だって私達兄妹だし……」
 「そっか……だからよしゆき君の方をとるんだな……」
 「お兄ちゃん……」
絵美はいかにも困った顔をしてうな垂れる俺を見ていた。
どうしていいのか分からないのだろう……ならそれでもいい…。
妬みに耐え切れなくなった俺はソファの上に絵美を押し倒していた。
 「きゃっ! ちょっ…お兄ちゃん!?」
 「俺じゃダメなら無理にでもしてやるよ!」
 「きゃあ!!」
俺の手は絵美の脚をまさぐり、舌は絵美の唇をこじ開けていた。
抵抗する絵美が、思いっきり俺の顔をビンタしていた。
 「ちょっといい加減にしてよ! …どうして…こんなことする
  の……」
もう頭の中が真っ白な俺は、最後の言葉を発していた。
 「俺…お前が好きなんだ……誰よりも……よしゆきなんかより
  も……」
この言葉に、絵美は呆然としていた…。
俺を見下すその瞳から、一筋の涙が零れていた…。

 その後、数ヶ月の付き合いを終えた絵美とよしゆき。
そして今、ソファに座る俺の隣には、俺に体を任せる絵美がいる……。

             

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