心の静寂

 冬のとある日曜日のこと。
俺は取り立ててすることもないので近くの公園へと足を運んだ。
来てみると人々の姿はまばらだった。
子供の姿は見当たらない。
寒いから家の中にでもひきこもっているのだろうか。
最近の子供たちは外で遊ぶよりも家の中でゲームでもしてる方がいいのだろうか。
俺は哀嘆の溜息をつきながら、廉い作りのベンチへ腰をかけた。
黒いマフラーに黒のコート。
傍から見ると公園にいる怪しい人物のように見えるだろう。
俺は寒さを堪えながら見慣れた公園を見渡した。
すると、向こうから4人の子連れの主婦らしき人たちがやってきた。
子供たちは皆同じ年頃、3歳ぐらいだろうか。
分暑いピンクのジャンパーを、女の子4人とも皆同じように着ている。
園内をぐるっと1週した後、俺の座ってるベンチの斜め前にあるブランコへとやってきた。
丁度4つ、人数分のブランコだ。
皆其々適当にブランコに座ると楽しそうに漕ぎ始める。
母親たちは公園の入り口で井戸端会議。
…全く、いい気なもんだよな、子供は。
俺はどこへ行っても独りだってのによ…。
俺は地面を見つめるなりまたひとつ、大きく溜息をついた。

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