心の還る場所

 夏、日差しが容赦なく俺を照りつけていた。
汗が滝のように出ていた。
けれども今の俺には関係の無いことだった。
前々からの計画を今日実行する。
閑静な住宅街を抜け、見えてきた小学校。
下校する生徒が、丁度出てきていた。
俺はその様子を見ながら細い路地へと入って行った。
誰もいない静かな路地は、俺の心を闇へと誘っていた。
俺は辺りを彷徨し、計画を実行する時を見計っていた。
相変らずの太陽が、俺の汗を更に増加させる。
早いとこ計画を成し遂げたいものだ。
俺はふぅと溜息をつくと、小学校の方を見た。
その目は、獲物を狙う肉食獣の眼だったことだろう。
と、俺が思索に耽っていると腰の辺りを引っ張る感触があった。
俺に連れなど居ない。
何かと思って見てみると、そこにいたのは黄色い通学帽を被った小学生の女の子だった。
俺は飛んで火に入った夏の虫に、思わずニヤリと哂った。
 「ねぇ、こんなとこで何してるの?」
少女は言った。
その言葉に、俺は思わず噴出しそうになった。
 「ん? 俺はね、君のようなかわいい小学生を待ってたんだよ」
俺は哂って言ってやった。
その言葉に、少女が答えた。
 「え? わたしかわいいの? えへぇ〜、なんか恥ずかしいなぁ〜」
何だ、このガキは。
俺の言葉に恐れないのか?
無邪気な笑顔なんて浮かべやがって、俺を誰だと思ってやがる。
でも俺はそのガキの態度にいつの間にかサディスムの血が騒いでいた。

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