人間と、未来。

 将来へのぼんやりとした不安を抱く人は少なくない。
かの文豪、芥川龍之介もこの『ぼんやりとした不安』に負けて自ら命を絶った。
このぼんやりとした不安というのは、果たして何なのだろうか…。

 オレはこの日、街へと繰り出した。
東京都新宿……言わずと知れた大都会である。
二十四時間人の絶えることの無いこの街は、鮮やかなまでに輝いている。
朝は会社へ行く人々がいて、夜には帰りの一杯。
サラリーマンだけではない、学生も、主婦も、老夫婦も、はたまた外国人もがこの街を訪れる。
老若男女問わず、色んな人々がこの大都会へと集まってくる。
オレはいつも思う。
この中の何人が一体、将来への不安を抱いて生きているのだろうか、と。
顔を見ただけでは分からない、各々が心の奥底で思っている事。
未来という、見えない恐怖に恐れをなす人々が、ここにはいる。
歩みを進める人々は、他人事には無用に容喙しない。
そんな人々だからこそ、ぼんやりとした不安があるのだとオレは思う。
本来人間は孤独な生物である。
他人に頼って生きていては、真っ当な人生を送ることなど出来ないだろう。
オレはその孤独が、人々を不安へと掻き立てる原因だと思っている。
こう考えている今も、目の前をぼんやりとした不安を抱えた人々が、行き交っている…。

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