どいてください…


少女がいつもの細い路地を歩いてきた。
今日は悩み事でもあるのか、俯いたまま歩いてくる。
と、少女と男がぶつかった。

「あ、ごめんなさい・・・。」

急のことに驚いてびくつく少女。見ると、若い男の人がこっちを見ている。
たまらず少女はもう一度謝った。

「ごめんなさい、ちょっと考え事してて・・・。」

男は無言で少女を見つめる。
仁王立ちをして言葉を発す様子も無い。
男はどかずに少女を見つめている。

「え?」

その行為に、少女も不審に思ってたまらず声を発した。

「あ、あの、ここ通してください・・・。」
「なんでだ?」

男が初めて口を開いた。
その言葉に、少女は絶倒させられた。
予期せぬ言葉に、少女も戸惑いを隠せない。

「え、お友達が待ってるから・・・。」
「なんで待ってるんだ?」
「約束したから・・・・・・。」
「どうして約束したんだ?」

しつこい男の質問攻めに、少女もただただ困惑するばかり。

「どうしてって・・・。」
「俺とは約束していないのに。」
「どうして俺とは約束していないんだ?」
「そんなこと言われても・・・・・・。」

もはや意味の分からぬ質問に、少女ももはや困惑を通り越していた。

「ここ通してください。」

もう付き合っていられないと、意を決して少女が強く出た。
道幅も人一人がやっと通れる様な狭い道。

「じゃあどいてあげるよ。」

その言葉に、男もついに諦めたのであろうか。

「本当!?」
「そのかわり君にお願いがあるんだ・・・。」
「・・・なぁに?」

男はその場でズボンのチャックを下ろし始めた。

「え・・・なに?」

その様子を見ていた少女は男がこれから何をしようとしているのかが分からず呆然と見つめていた。
と、男の半勃ちのモノが露になる。

「きゃあ!」

少女はその現れた得体の知れぬ物体を見て思わず叫び、目を伏せてしまった。

(なに? あれ・・・)

心の中で少女は思った。
未だ嘗て見たことの無い物体。
しかし男女の性差程度なら理解している少女。
あの場所から出てくる物と言えばあれしかない。
けれども自分が今まで見たことのある物とは随分と違う。
同い年くらいの男子の物は、学校のプールの着替えの時とかで色々見たことがある。
父親とは小さい頃一緒にお風呂に入ったことはあるが、今はもう一人で入っている。
そんな少女にとって、大人の男のモノを見るのは初めてだった。

「さぁ、これをしゃぶってくれる?」
「・・・え?」

その言葉に伏せていた目も自然と男に向けられる。
男を見ると自然と目に入ってくる黒く醜いモノ。
恐怖と好奇心とが少女を襲う。
本能的に備わった女としての好奇心。
怖い物を見るような目でついつい見てしまう。

「どうだい?しゃぶってくれるかい?」

男は人が滅多に来ない道だということをいいことにズボンを地面まで下ろした。
すると、更に目に付くようになった。
あんな物をしゃぶることなんてできやしない、と少女は思う。

「しゃぶってくれないのかい?」
「い、嫌です・・・。」

弱い態度を見せると無理にでもさせられそうなので毅然とした態度で男に向かう。

「じゃあいいや。」

男は諦めたのか。
少女がホッと胸を撫で下ろそうとした時、不意に男に腕を掴まれた。

「きゃ!」

強引に腕を引っ張り、あろうことか自分のモノを触らせる。

「いや〜!」

大きな声を上げて抵抗するが男はお構いなし。
熱くて固い感触が伝わってくる。
脈打つようなそのモノは、もうすっかり天を向いていた。

「さあさあ、しゃぶってくれないなら手でいかせておくれ。」

男の言っていることが分からない少女。
グロテスクで気持ちの悪いモノを握らされ、更に上下に動かされる。
抵抗するものの、男の力に敵う筈も無い。
いつしか少女は地面にぺったんこ座りをさせられていた。
恐怖で逃げることも出来ない。
少女にはただ男のモノから目を伏せることがやっとだった。
苦痛に耐える少女。
いつまで続くのか、少女には全く分からなかった。
人の来ない裏道を使った自分を恨んでいた。
男が一体何をしたいのか、その意図は少女には分からない。
男は時折「あっ」とかいううめき声を発する。
それで男は何らかの快感を得ているのではということは少女は分かった。
男の持つ手が早くなる。
それにつれてモノがビクビクする感触が伝わってくる。

「はぁはぁ・・・もう・・・出るぞ・・・。」

男はそう言った。
少女には何のことかさっぱり分からない。
こんな状況でおしっこをすることも考えにくい。
少女は目を伏せたまま男のされるがまま手を上下に動かす。
と、刹那、モノが膨れ上がった。

「うぉ〜!!」

雄叫びと共に精液が放たれる。

「きゃう!」

少女の手やら腕やら首筋やらに溜まりきった男の精液が飛び散る。
不意なことに少女はその様子を確認する。
男のモノから今もなお出続ける白い液体。
悪臭を放つそれに思わず手を竦めてしまった。

「うぁ〜、な、何これ・・・。」

不快感しか感じないその白い液体に少女は嫌悪を示す。

「どうだ?たくさん出ただろ?」

男は自分の出した精液の量を誇示するかのように言った。
少女はこの気持ちの悪い液体が何なのか知らない。

「これは精液っていうんだ。」
「・・・せいえき?」

男の言葉に反応する少女。

(そういえば学校の理科の時、そんな言葉が出てきた気がする・・・。)
(これがせいえき・・・?)

言葉しか聞いたことの無い少女にとってそれは初めての未知との遭遇だった。

「どうだい?精液を見た感想は?」
「どうって・・・気持ち悪い・・・。」

少女は正直に答えた。

「ははは、そうかそうか。じゃあもう帰ってもいいぞ。」
「え、本当?」
「ああ、勿論さ。ただし、友達にはこのこと言っちゃだめだぞ。」
「・・・う、うん・・・。」

男は満足したのか、ズボンを履いてそそくさとどっかへ行ってしまった。
残された少女は、あちこちに飛び散った精液をティッシュで拭き取っていた。

(うわ〜、ベトベトしてる・・・。)
(これがせいえき・・・赤ちゃんの素?)
(こんなので本当に赤ちゃん・・・出来るのかな?)

少女は精液に嫌悪感を抱きながらもちょっとした好奇心に駆られていた。

(うぁ、髪の毛についちゃったよ・・・なかなか取れない・・・。)

やっとの思いで体中の精液の処理を終える。

「ふぅ〜、終わった・・・。」
「あ! 急がなきゃ!!」

友達との待ち合わせを思い出して急いで走り出す。




その後・・・。
精液の匂いの残るまま待ち合わせ場所へ向かう。

「ごめん、おまたせ・・・。」
「おっそ〜い!今まで何してたの!?」
「うん、ちょっと色々あって・・・。」
「もう・・・。」
「本当にゴメンネ・・・。」
「もういいよ。 それよりなんか変な匂いしない?」
「え?」
「なんていうか・・・生臭い匂いがするんだけど。」
「そ、そう? き、気のせいだよ・・・。」
「ふ〜ん。 そうよね、気のせいよね。」
「うん、そう、気のせいだよ。」
「じゃあ行こっか。」
「・・・うん!」

こうして少女の辛く臭い一日が終わった・・・。
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