魅惑のレッスン


 日曜日、今日はアナちゃんに英語を教えてあげる日です。
雅博は朝早くからアナちゃんと茉莉ちゃんを迎えに行きました。
そして、2人を家に招待しました。

アナ「ここがお兄さまのお家ですか?」
雅博「うん、上がって〜」
アナ「ではお邪魔します」
茉莉「おじゃましま〜す」

そう言って2人は上がりこみました。
部屋に入るとアナちゃんは物珍しそうに部屋の中を見回しました。
雅博はジュースを用意して来ました。

雅博「はい、ジュース飲んで〜」
アナ「あ、ありがとうございます」
茉莉「お兄ちゃん、ありがと」
雅博「うん。 ジュース飲んだら早速勉強始めようか」
アナ「あ、はい、お願いします」

アナちゃんは改めて雅博にお願いしました。
雅博はそんな彼女の言葉を聞いて自分が役に立てる喜びを感じていました。
そしてジュースを飲み終わったアナちゃんが英語の練習本を出して言いました。

アナ「それじゃあよろしくお願いします」
雅博「うん。 じゃあまずはアナちゃんがどれくらい英語ができるかテストしてみよっか」
アナ「はい…あまり自信はありませんけど…」
雅博「じゃあこの問題やってみて」
アナ「は、はい…やってみますわ…」

そう言うとアナちゃんは練習本の問題をやり始めました。
その様子を雅博と茉莉ちゃんが見ています。
コチコチ、と時計の音だけが静かに流れていました。
それから5分後……

アナ「あ、あの……」
雅博「え、もう終わったの?」
アナ「いえ………全然分からないんです…」
雅博「えっ? 1問も?」
アナ「……はい」

練習本を見てみると、どの問題も全然答えが書いてありませんでした。
中学1年生の最初に習うような問題ばかりです。
イギリスから来たアナちゃんがここまで出来ないのは雅博にとっては意外でした。

雅博「そっか、アナちゃん英語全然できないんだね…」
アナ「はい…すみません…」
雅博「別に謝ることないよ。 じゃあこれから一緒に勉強していこ?」
アナ「はい、お願いします…」
茉莉「えと…お兄ちゃん…私にも英語教えてくれる?」
雅博「茉莉ちゃんも勉強したいの?」
茉莉「うん…アナちゃんと英語でおしゃべりしてみたいし…」
アナ「茉莉さん…」
雅博「そっか、じゃあ一緒に勉強しよっか」
茉莉「うん!」

雅博は早速基本的な文法から教えていきました。

雅博「えとまずこの『This is a pen.』の『This』が主語、つまり『これは』っていう意味になるんだよ」
アナ「なるほど〜」
雅博「そして『〜です』に当たるのが『is』でこれは主語によって色々形が変わるんだ」
アナ「へぇ〜そうなんですの」
茉莉「そうなんだ〜」

2人を生徒に抱えた家庭教師、雅博はその後も一から英語を教えていきました。
英語が苦手な雅博でも中学1年生レベルの英語なら簡単に教えることができました。
2人は飲み込み早く、順調に学習できているようです。
そして勉強を教えるのに夢中になっていく雅博。
時刻はもうお昼、時間が経つのも忘れていました。

雅博「あ、もうこんな時間か。 じゃあお昼食べる?」
アナ「お昼、ですか?」
雅博「うん。 ちょうど材料があるからよかったらカレーでも作るよ?」
茉莉「お兄ちゃんお料理できるの?」
雅博「料理って言ってもカレーだから…。 じゃあ作ってくるから待っててね」
アナ「あ、私もお手伝いしますわ」
茉莉「私も…」
雅博「そう? じゃあお願いしようかな」

3人は部屋を出てキッチンに来ました。
雅博は米を研ぎ、茉莉ちゃんとアナちゃんは野菜の皮むきです。

雅博「2人とも気をつけてね」
茉莉「うん」
アナ「はい、分かりましたわ」

2人は楽しそうに野菜の皮をむき始めました。
その2人の楽しそうな笑顔に、雅博は癒されていました。
米を研ぎ終わり、野菜の皮むきも終わり、野菜を切り始める雅博。
その手つきを後ろから覗き込むように2人が見ていました。

茉莉「わ〜、お兄ちゃんって包丁の扱いが上手いね〜」
アナ「なんかかっこいいですわ〜〜」
雅博「そ、そうかな…?」

雅博は照れながら言いました。
でも満更でもない様子です。
そして野菜を切り終わると鍋に具材を入れていきます。
これからしばらくは料理の時間です。
3人で楽しくカレー作り。
雅博はこんなマニアックなシチュエーションに酔いしれていました。
狭いキッチンに香る2人の髪の香り。
アナちゃんはコロンのような香り、茉莉ちゃんは甘い果物のような香りがしていました。
不謹慎にもそういう匂いには敏感な雅博。
2人もかわいい女の子がいると思うと、雅博のものは徐々にエレクトしてきていました。
その魅惑のカレー作りは、その後も順調に進んで行きました…。


      前へ  一覧  次へ

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送