美羽ちゃん大作戦


 2人はオレンジジュースを飲んでいました。
外はすっかり暗くなったので、部屋の電気をつけベッドに並んで座っています。
千佳は口の中のイガイガをジュースで流し込みました。

雅博「千佳ちゃん、ありがとね。 すごく気持ちよかったよ」
千佳「うん……そう言われるとなんか嬉しいな……」

恥ずかしそうにはにかむ千佳。
雅博はそんな彼女を優しく抱くと、そっとキスをしました。
千佳はびっくりしながらも、三度目の柔らかな感触に委ねていました。
長めの接触の後、次第に雅博の舌が口の中に入ってくるのが分かりました。
驚いて目を開ける千佳でしたが、自然と嫌な気持ちはしませんでした。
そしてどちらからとも無くお互いに口を離しました。

千佳「……」
雅博「なんか僕たちってホントの恋人同士みたいだね」
千佳「え…? そうじゃないの?」
雅博「ううん、そうだよ」
千佳「何それ、変なの〜」
雅博「はは、ゴメンゴメン、なんか照れくさくて…」

雅博が恥ずかしげに言いました。
実際に千佳と恋人同士だと思うとなんか恥ずかしくなってくるのでした。
雅博は夢見心地な気分でした。


 そして、すっかり夜になった頃。
雅博は千佳を家まで送りに行きました。
街灯に照らされた住宅街を2人並んで歩いて行きます。
その道中のこと…

千佳「ねえお兄ちゃん、今度いつ会える?」
雅博「そうだね〜、来週の土日なら大丈夫だよ」
千佳「ホント? じゃあ土曜日お兄ちゃんち行っていい?」
雅博「うん、いいよ」
千佳「それじゃあ朝10時ぐらいに行くよ」
雅博「どうせなら僕が迎えに行こうか?」
千佳「ううん…一人で大丈夫だよ」
雅博「そう? じゃあ待ってるね」
千佳「うん!」

千佳は嬉しそうな笑顔で雅博の腕にギュッと抱きついてきました。
その可愛らしい仕草に、雅博の心はまた反応してしまうのでした。


 千佳の家に着き玄関の鍵を開け、戸を開けました。
そして雅博が帰ろうとしたその時、美羽が2階から降りてきました。

美羽「遅ーーーい! 2人でどこ行ってたんだー!?」
千佳「みっちゃんなんでいんのよ…」
美羽「ずっと待ってたんだぞ! ちぃちゃん全然帰ってこないから」

美羽は怒った様子で千佳に勢いよく言いました。

千佳「あれ? 言ってなかったっけ? お兄ちゃんと街に行ってたんだよ」
美羽「なに!? どうしてあたしを誘ってくれなかったんだよ!?」
千佳「えっ!? …それは……」
雅博「……」
美羽「まあいいや。 じゃあお兄ちゃん、あたしの家に来て!」
雅博「え? 僕が…?」
美羽「そうだよ、お兄ちゃんって言ったらあんたしかいないじゃんか」
雅博「で、でも何で…?」
美羽「家に来たら訳を教えてあげるよ」
雅博「何だそれ……」
美羽「いいから来てくれるの?」
雅博「わ、分かったよ、行くよ……」
美羽「あは! そうこなくっちゃ!」
雅博「……千佳ちゃん…」
千佳「しょうがないね…こうなるとみっちゃん聞かないから…」

雅博は訳も分からず美羽の家に連れて行かれることになりました。
玄関の前で千佳にさよならをすると、美羽の手に引かれて美羽の家までやってきました。
と言っても美羽の家は千佳の家のすぐ隣です。

美羽「どうぞ、上がって」
雅博「う、うん……お邪魔します…」

雅博は恐る恐る美羽の家に上がりこみました。
初めて見る家の内部に、ちょっと警戒気味の雅博。
美羽は雅博の手を引いて2階へ上がって行きました。
自分の部屋に雅博を連れ込み、ドアを閉めました。
そして……

美羽「これでよしっと!」
雅博「もう美羽ちゃん…いきなり何なの?」
美羽「ゴメンねお兄ちゃん。 あたしお兄ちゃんに頼みがあるの」
雅博「え……僕に頼み?」
美羽「うん。 これなんだけど……」

そう言って美羽が机の引き出しから取り出した物は…。
なんと、雅博が大切にしていた秘蔵本だったのです。
雅博も美羽が持っていったのではないかと思っていましたが、実際そうだったのでした。

雅博「み、美羽ちゃん…それ!」
美羽「ふふ…ゴメンね、勝手に持ってきちゃって」

そう言うと美羽は妖艶な笑みを浮かべていました。
雅博は何だか嫌な予感がしました。
でもその予感は的中していたのです。

美羽「ねぇお兄ちゃん、あたしこれやってみたいな〜」
雅博「え…? ……って何言ってるの!!」

雅博は驚愕していました。
美羽が指差して言ったのは、秘蔵本の巻頭カラーのマンガにあったフェラのシーンだったのです。
美羽は恥ずかしげも無く上目遣いで雅博を見つめていました。
おねだりをするその眼差しは、的確に雅博の心を捕らえていたのです。
雅博はそんな小さな小悪魔に頷くしかなかったのです…。


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