初デートびより


 あれから1週間。
4月も下旬になり、雅博も新しい環境に慣れてきました。
新しく始まった大学の講義や彼女たちとのふれあい。
そんな新しい環境に、雅博はこの上ない充実感を抱いていたのです。
大学の講義は欠席することなくちゃんと出席しています。
それまでの雅博は度々講義をボイコットしていたりしました。
けれども、雅博には千佳というかわいい彼女が出来たのです。
そんな彼女のためにも、怠惰な心を改心したのです。
そして今日は千佳との初デート……

千佳「あっ! お兄ちゃん、遅いよ〜」
雅博「ゴメンゴメン……来る途中緊張しすぎてお腹痛くなっちゃって…」
千佳「え、大丈夫?」
雅博「う、うん……千佳ちゃんに会えると思ったら急に緊張してきちゃってね」
千佳「もう…またそんなこと言って…」

2人は近くの公園で待ち合わせをしていました。
これからバスに乗り、街へ行く予定です。
初めてのデートということで、雅博はどういう所へ行っていいのか分かりませんでした。
でも雅博にはやりたいことがありました。
それは千佳にお洋服をプレゼントすることです。
ファッションに敏感な小学生の女の子。
そんな千佳にお洋服のプレゼント、前々からずっと夢見ていたのです。
でも千佳は、これがデートという認識はあまり無いみたいです。

千佳「えと、じゃあどこ行こっか」
雅博「とりあえず街の方へ行ってみようか」
千佳「あ、いいね〜。 街行くの久しぶりだな〜」
雅博「そうなんだ。 じゃあ丁度いいね」
千佳「うん! お兄ちゃん、早く行こ!」
雅博「あ、千佳ちゃん待ってよ〜」

雅博ははしゃいで先行く千佳を追いかけました。
すっきり晴れた青空に、眩しい日差し。
夏の気配も感じるほど暑い朝でした。


 2人はバスに乗り、駅前までやってきました。
駅前は、土曜日ということもあって沢山の人で賑わっていました。

千佳「やっぱ土曜だから人多いね」
雅博「うん、そうだね。 遠くから来てる人も多いんだろうね」
千佳「ねえ、お兄ちゃんの地元って人多い?」
雅博「え? そうだね…浜松よりは全然少ないけど東部の中心的な街だから多い方かな」
千佳「ふ〜ん、そうなんだ。 今度行ってみたいな〜」
雅博「うん、おいでよ。 今度夏休みに実家帰るからよかったら一緒に来る?」
千佳「夏休み? うん、いいよ〜」
雅博「じゃあ約束ね」
千佳「うん、約束」

2人は駅前の常設ステージの前で約束を結びました。
千佳を連れて実家へ帰る、なんだか嬉しいような恥ずかしい感じの雅博でした。

雅博「それじゃあ千佳ちゃん、どこ行きたい?」
千佳「ん〜、お兄ちゃんに任せるよ」
雅博「そう? じゃあお洋服買いに行こうか?」
千佳「え…? お兄ちゃんの?」
雅博「ううん、千佳ちゃんのだよ。 僕が買ってあげるよ」
千佳「えっ!? お兄ちゃんが買ってくれるの?」
雅博「うん。 とびっきり高いのじゃなきゃね」
千佳「いいよ、私自分で買うから…」
雅博「遠慮しなくていいよ。 だって彼氏が彼女にプレゼントするのは当然でしょ?」
千佳「で…でも……それじゃあ悪いよ…」
雅博「何言ってるの。 僕たちはもう付き合ってるんだからさ。 遠慮しないでよ」
千佳「……う、うん…ありがと…」

雅博は何と言えぬ快感に満たされていました。
彼女にプレゼントをする。
遠慮する彼女に買ってあげる、何度夢に見た光景でしょうか。

雅博「それじゃあ駅ビルの中のお洋服屋さん覗いてみようか?」
千佳「うん…。 でもホントにいいの?」
雅博「いいんだよ、気にしないで。 もうそのことは言わない、分かった?」
千佳「う、うん……分かったよ…」
雅博「よし、それじゃあ出発進行!」

雅博はみるみるテンションが高くなるのが分かりました。
今までこんなに昂揚した気分になったことがあったでしょうか。
一方、千佳の方は雅博に買ってもらうのは悪いと思っているようです。
今まで付き合ったことが無いので、男の子にプレゼントをされるということに気が引けてるようです。
そして2人は駅ビル内の千佳の行き着けの店へ入って行きました。
そこは小中学生の女の子に人気のお店です。
色鮮やかなお洋服が狭い店内に一杯売られていました。
そこにいる客は矢張り千佳と同じ年くらいの女の子ばかり。
お母さんと一緒に来ている子もいますが、男は雅博一人でした。
雅博は場違いに感じながらも千佳の彼氏として恥ずかしくないように心を決めて入店しました。

雅博「千佳ちゃんはよくこのお店来るの?」
千佳「うん。 街に来た時は大体寄るんだ」
雅博「そうなんだ。 じゃあ好きなの選んでね」
千佳「うん。 ありがとね、お兄ちゃん」

千佳は嬉しそうに微笑みました。
その笑顔に、思わずドキッとしてしまう雅博でした。
そして千佳は色々と見て周ると、二つ気に入った洋服を見つけたようです。

千佳「ねえお兄ちゃん、これとこれ、どっちがいいかな?」
雅博「え〜と……両方ともいいんじゃない?」
千佳「え〜? それじゃあ困るよ〜。 決められないじゃん」
雅博「大丈夫、両方買ってあげるから」
千佳「それは流石にいいよ。 どっちかに決めるから」
雅博「千佳ちゃんが気に入ったお洋服なんだから両方僕に買わせて?」
千佳「う〜ん……やっぱ一つでいいよ。 その分美味しいもの食べた方がいいもん」
雅博「そっか、じゃあ後でお昼いっぱい食べようね」
千佳「うん!」
雅博「それじゃあその二つ着て比べてみれば?」
千佳「そだね。 じゃあ着てくるから待っててね」
雅博「うん、いってらっしゃ〜い」

千佳は二着の洋服を抱えて更衣室へ入っていきました。
シャッとカーテンの閉まる音が聴こえました。
雅博は千佳の入った更衣室の前で待つことにしました。
周りの視線を感じながらも、カーテン越しに着替えをしている千佳の姿を想像していました。
未だ見ぬ千佳の体…。
雅博は千佳の服を脱ぐ音を聞きながら淫らな妄想を膨らませていたのです。


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