淡いひととき


 雅博はそっと手を伸ばして千佳の腰の辺りを優しく触りました。
と、それに気付いた千佳がびっくりした様に飛び起きました。

千佳「!! な、なに…!?」
雅博「あ、ご、ごめん……これは違うんだ…」

雅博は何もしてないと言うように取り繕っています。
けれども部屋にいるのは2人だけ。
千佳は雅博が出来心で触ったことに気付いたようです。

千佳「…触った…?」
雅博「え……うん…ごめん……」

雅博は反省し、うな垂れて謝りました。
けれども、千佳の反応は意外なものだったのです

千佳「お兄ちゃん……触りたいの…?」
雅博「えっ…!?」
千佳「……お兄ちゃんならいいよ…触るだけなら…」

千佳は恥ずかしそうに俯き加減で上目遣いで言ってきます。
雅博はあまりの嬉しさでいよいよ興奮してきました。

雅博「えっ!? ほ、本当…?」
千佳「うん…なんかお兄ちゃん彼女とかいなくて可哀想だし…」
雅博「千佳ちゃん……」

千佳は雅博に微笑んで言いました。
雅博は大学生にもなって一度も女の子と付き合ったことが無いのです。
そのことを考えると、千佳はなんだか可哀想に思えてきたのです。
こういうところが千佳の優しいところでもあるのです。

千佳「あ、でもみっちゃんが帰って来るまでだよ…?」
雅博「うん……」
千佳「本当に触るだけだからね…?」
雅博「うん………」

お互いの同意を得ると、千佳はベッドの上に寝転びました。
その無防備の少女に、雅博は唾を飲み込みそっと手を伸ばしました。
そして、腰の辺りから優しく触って行ったのです。

千佳「ああ…なんかくすぐったい…」
雅博「ありがとね、千佳ちゃん…」
千佳「うん、いいよ。 好きなように触っていいから…」

千佳はくすぐったそうにしながらもじっとしています。
雅博は、20年間の積もりに積もった欲望をここぞとばかりに吐き出していきます。
腰、お腹、脚……シフォンのような柔らかな千佳の体を、舐めるように触っていきます。
時折くすぐったいのか、千佳は体をよじったり声を上げたりしています。
1分、2分、3分……じっくりと小学生の少女を堪能していく雅博。
いつしか、部屋の中は二人の行為の音だけが支配していました。
そしていよいよ雅博が千佳の胸を触ろうとしたその時です。
玄関のドアが開く音と共に、階段を駆け上ってくる音が聴こえてきたのです。

千佳「あっ! みっちゃん帰って来た…!!」

2人はあたふたしながら何事も無かったかのように平静を装います。
そして美羽が部屋に戻ってきました。

美羽「あ〜疲れた!」
雅博「お、おかえり〜…」
千佳「遅かったねぇ〜…」
美羽「それが暴君ハ○ネロが全然売ってなくて3軒も回っちまったんよ……ん?」
千佳「ど、どうしたの…?」
美羽「お前ら何してた?」
千佳「え!? な、何って…?」
雅博「な、何もしてなかったよ…」
美羽「何もしてなかったなんてことあるわけないだろ」
千佳「ほ、ホント何もしてなかったよ……」

千佳と雅博は、美羽に気付かれてしまったのではないかと思っています。
こう見えても美羽は勘が鋭いところがあるのです。
入ってきた時にちょっと空気が変だったことに気付いたようです。

美羽「怪しいなぁ〜。 二人で何してたんだ? 言ってみろ」
千佳「だから何もしてないってば〜!」
美羽「ウソ! この美人の美羽ちゃんを騙そうなんて100億万年早い」

美羽はそう言うと部屋中を見回しました。
そして……

美羽「あー! 分かった!!」
雅博「えっ!!」
千佳「え!? な、何…?」
美羽「さてはお前ら二人でケーキとか食ってたな!?」
雅博「え?」

雅博と千佳は、ホッと安心しました。
本当に何をしていたのかばれてしまったのかと思ったのです。

美羽「あたしにもよこせ!」
千佳「いや食べてないから…」
美羽「あ〜、あたし抜きで食べちゃったんだ……2人で」
千佳「いやだから食ってないって」
雅博「ま、まあまあ、じゃあ美羽ちゃんの買ってきたお菓子でも食べようよ…」

雅博がそう言うと美羽と千佳は素直に従いました。
3人で楽しくお菓子を食べながら面白可笑しな雑談。
雅博にとって、こんなに楽しくて嬉しい時間は生まれて初めてです。
途中雅博と千佳は目を合わせるとお互い恥ずかしそうにしていました。
雅博にとってはこれからという時に美羽が帰ってきてしまったのは残念でした。
でも、これでなんだか雅博も千佳も、お互いよりお近づきになれた気がしたのでした。
淡い空の住宅街の、2人の淡い時間だったのでした。



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